2000/07/11

«安宿のすすめ»

海外旅行の宿泊はホテル、と決めてかかっていたら、今回の旅は実現していなかっただろう。
「食事」の項でも書いたが、宿泊費は旅行費用の最大の支出項目。ABC分析で検討すれば、真っ先に削減の対象となる部分である。
トータル・コストを固定し、旅行の期間を最大に長期に持っていこうとすれば、食費と宿泊費を切り詰めるしかない。しかし、この項目は、『女性』である家内にすれば、旅行に期待するかなり大きな要素になるはずだ。
こうして、小生のオーストラリア宿泊事情の情報収集活動が始まった。(ちょっと、大袈裟???)

通っていたECCのレッスンの中で、Backpackers Hostel や B&B という言葉は聞いたことがあったが、恥ずかしながらそれが実際にどんなものか分からない。Youth Hostel は、40年近く前学生時代に国内で体験したことはあったが……。

安宿の種類は? 価格は? 泊まり心地は? 予約はどうすれば? 旅行関係のホームページを巡って、宿泊施設 Accommodation の情報を漁り、人様の体験談を読むうちに、おぼろげながらオーストラリアの宿泊事情が見えてきた。
そうやって得た情報をもとに予算を設定し、最終的な旅行計画が完成。家内にその全容を話してめでたく実行の運びとなったわけである。

■オーストラリアの安宿

今回の旅で最高にお世話になった『地球の歩き方』オーストラリア版を抜粋すると、オーストラリアの安宿事情は次のとおり。

◆バックパッカーズ・ホステル Backpackers Hostel
バックパックを背負ってエコノミーな旅をする人に人気なのが、その名のとおりのバックパッカーズ・ホステル。主要な街の割と便利な場所にあって、料金も格安。世界各国からいろんな旅人が集まってくるので、旅の情報収集にも便利だ。
一般に、シャワー、トイレ、キッチンが共同で、部屋はドミトリー(4~8人の相部屋)、シングル、ツインがある。宿泊料は、ドミトリーが1泊$12~16、シングル$15~35、ツイン$25~45といったところ。
VIP会員には$1~2の割引がある。ワーホリ君たちは、略して『バッパー』と呼ぶ。

◆ユース・ホステル Youth Hostel
世界中でバックパッカーズに愛用されている安宿の代表格。オーストラリア全土に、準加盟ホステルも合わせて150以上ある。
部屋は、基本的にドミトリー($10~16)だが、最近はツインも増えてきた。
原則として会員しか宿泊できないので、旅の前に日本または現地のユース・ホステル協会で会員になっておくこと。

◆プライベート・ホテル Private Hotel

個人経営のこじんまりしたホテル。日本の民宿みたいなもの。トイレ、シャワーは共同の場合が多い。リビング・ルームで、宿の主人や泊り客との交流もできる。
朝食付きのところも多く、その場合はB&B Bed and Breakfast という。料金はB&Bシングル$30~50、ツイン$35~60.

◆モーテル Motel
車なしでも泊まれる。どちらかといえば、町の入り口や大きな道路沿いにある。ほとんどがツインで、シャワー、トイレ、TV、冷蔵庫付きが多く、場合によってはキッチン付きも。$40~100。

◆バジェット・タイプ・ホテル Badget Type Hotel
パブとホテルが併設されたホテルで、数的にはオーストラリアで最も多い。1階がパブ、2階以上がホテルとなっている。夜遅くまで騒がしい難点はあるが、ロケーションの良さと値段の安さが魅力。
シングル$20から40、ツイン$30~60。

■泊まった宿

夫婦で旅行するのだからドミトリーというわけにはいかず、すべてツインかダブル。重い荷物を背負っているので、バスのターミナルから近いか、ピックアップ・サービス(空港や駅までの送迎)のあるところ。夜の到着になる場合は、レセプションが遅くまで開いているところでなければ。そして、可能ならば室内シャワーのあるところが……。
予算は1泊60ドル。エアーズロック・リゾートは宿泊施設が限定され122ドルかかる。シドニーは大都会でちょっと高めになる。だから、ほかの街の平均は1泊50ドル程度で抑えなければ。
こんな条件設定で、あらかじめ各都市の宿を2、3候補に絞り込む。本当は、行き当たりばったりに、その街に着いてから宿を探してみたかったのだが……。

電話をしたら満室だったり、シャワーが付いてなかったりで、実際に泊まった宿はすべて『地球の歩き方』に掲載された宿から選んだものになった。

■宿の予約

ケアンズとブリスベンは、日程変更の可能性もないので、日本からインター・ネットで行った。
ケアンズの Inn The Tropics とブリスベンの Soho Motel はホーム・ページを開設しており、それぞれの予約のページから予約が可能。但し、クレジット・カードの番号を問い合わせてくるので、セキュリティを考えてそれにはFAXで対応した。
後は、次の街へのバスを確保してから、その街の宿を探すことになる。
朝早く着くのであれば、着いてから足で歩いて部屋を見せてもらって探すのが一番いいのだが、重い荷物を背負って歩き回るのもシンドイ話だ。
E-mailによる予約が可能なところもあるが、2、3日しか滞在しない街でインターネット・カフェが込んでいたりすると、実用的ではない。FAXを借りて行う方法もあったが、実際には利用しなかった。残された方法はただ一つ、電話しかない。

電話をかけて、先ず、

Excuse me. I can not speak English well. I'd like to book at your place.

と切り出す。これで大体ゆっくり対応してくれる。FAX用に作成しておいた Reservation Form を見ながら一項目ずつ希望を伝える。大体問題なく話ができた。
アデレードからパースの宿に電話した時、同様に始めると、
"Which language do you speak?"
と返ってきたので、"Japanese" と答える。「それでは、日本語でどうぞ」と来た。助かった。レセプションの Keith 君は、ベルリッツ Berlitz 大阪・本町校の元講師だった。

前にも書いたが、安ホテルの場合はレセプションが早く閉まってしまうところが多い。朝も、8時ごろにならなければ開かない。
特に到着時間が夜になるときは、レセプションが何時まで開いているかを確認する必要がある。
アリス・スプリングスからタウンズビルに向かうバスが大幅に遅れ、タウンズビルのトランジット・センターに到着したのは宿のレセプションが閉まる直前。電話してこれから向かう旨を伝え、重い荷物を背負って宿まで走ったこともあった。

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