2000/07/26

もう一つの音(歩行者用音響信号)

オーストラリアを歩いて、未だに耳に残っているもう一つの音がある。
といっても、音楽でも小鳥のさえずりでもない。
それは、どこの街でも聞いた横断歩道の音響信号の音なのである。

ケアンズの宿に着いて小休止の後オーストラリアでの第一歩を踏み出したとき、初めて歩行者用の信号に出くわした。
車は左側通行で日本と同じだから、まったく違和感はないのだが、車用の信号が青に変わっても歩行者用の信号は赤のまま。「ピッ…ピッ…ピッ…」という変な断続音が鳴っている。
さて、いつになったら渡れるのだろうと考えていると、横断歩道の手前に左の写真のようなはでっかい押しボタンがあるのに気がつく。ボタンの直径は10センチ位ありそうだ。

ボタンを押してしばらくすると、突然「ギュン!!トットットットットットット・・・」というけたたましい音が鳴って歩行者用信号が青に変わった。
日本の「カッコー」、「ピヨピヨ」や「とおりゃんせ」、「夕焼け小焼け」の曲に比べて、何とも騒々しい音である。

《上の画像をクリックすると音が鳴りますよ!》

帰ってきて、もしやと思ってあちこちのサイトを探してみたら、ある信号機器メーカーのページで音が見つかった。無断拝借なので申しわけないが、オーストラリアを歩いた方には懐かしいあの音を先ずは聞いてみていただきたい。

なるほどと思って渡り始めると、半分渡ったかどうかというところで赤の点滅信号に変わり、元の音に戻ってしまう。「エッ!?」と、慌てて走り出してしまった。後になって気がついたのだが、点滅している時間は結構長い。
要するに、「青になれば渡り始めてよし、赤が点滅し始めたら渡り始めてはだめで、横断中の人はできるだけ急いで渡ってしまいなさい」ということなのだ。
いつも音が鳴っているのは、視覚障害者が「信号のある横断歩道」の場所を耳で確認できるための配慮だ。

この方式と音は、どの街でもほとんど同じだったが、車の交通量が少ないためか、日本に比べると概して横断歩道や歩行者用信号の数は少ない。かなり広い道でも、信号のない交差点もある。
しかし、信号のあるところで信号無視をすると歩行者でもかなり高い罰金が課せられるそうだから、注意が必要である。

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