2000/07/17

«Can you speak English?»

■覚えるより先に忘れていく
'99年4月末からECCに通った。フリー・タイム・レッスンで初心者に毛の生えたレベル4bから始め、約1年経ってやっと3aまで上がった。60近くなって始めた英会話だから、上達を妨げる最大の要因は減退する記憶力である。
過去に覚えていたことも忘れつつあるのに、新しく英単語を覚えるほどの容量を持った記憶素子を、我が脳は持ち合わせていないようだ。単語などは、覚えるより忘れていくスピードの方が速い。
ECCのテキストには、旅のいろいろな場面で利用できる会話も用意されていたから、それを全部覚えていれば相当のところまで通用するはずだったのだが……しかし、しかしである……

■英語なしで過ごせる一日
1日中夫婦で歩いていると、当然日本語だけを喋っている。地図を持っていれば道を尋ねる必要もない。フード・コートなどで食事を注文するときは、指さして "This one, this one and this one." でこと足りる。
そんな調子だから、まる一日英語らしい英語を使わない日もあるのだ。
ECCのテキストには、こんな例文があったような気がする。

Are you ready to order?
  Yes, I'll have the Caesar salad and the baby back ribs.
Would you like any soup or salad with that?
  I'll have the house salad.
And what kind of dressing would you like?
  What kind of dressing do you have?
We have a raspberry vinaigrette, thousand island, French, and honey dijon. We also have our house dressing which is like a creamy ranch-type dressing.
  I'll have the honey dijon.

しかし、安旅でフード・コードやビュッフェのようなところでしかメシを食ってないと、ウェイターがオーダーを聞きに来るような場面にはなかなかお目にかからない。ああ、こんなシーンを一度体験したかったな。

■宿とバスの予約
宿とバスの座席の予約だけは、英語でやらざるをえない。バスの方は幸いトランジット・センターのカウンターでフェイス・トゥー・フェイスでやることができたが、宿の方は、次の街に電話するしかない。

Hello! Adelaide City Backpackers?
I'm sorry I can't speak English well. So, would you please speak slowly.?

と切り出すと、相手は大体笑いながら応じてくれる。
そこで、メモを見ながら

I'd like to book at your place. Do you have a twin room available for three nights starting from June 8th?
And, if available, with private bath or shower and toilet.

とやるのだ。ほとんどこれでことなきを得た。ちなみにオーストラリアでは、「予約する」は、reserve より book の方が一般的だそうだ。

■オージー・イングリッシュ Aussie English

オーストラリア訛りの英語を「オージー・イングリッシュ」という。単語やスラングにも独特のものがあるが、一番有名なのは、Good day! が「グッダイ」となる発音だろう。
その辺の予備知識はあったのだが、バス・ドライバーの車内案内で、
Please take a coach by a quarter past eight. (8時15分までにご乗車ください。)の 'eight' が、どう聞いても「アイト」と聞こえる。
ツアー会社AATキングズも、「アイアイティー」である。そこまでいう?って感じ。
いずれにしても、バスのドライバーは、非英語圏人種が乗っていることなどまったくおかまいなしに、あのオージー・イングリッシュで早口にしゃべるのだから、聞き取りにくいことはなはだしい。休憩時間、乗車時刻、発車時刻など、その都度訊きなおして確認しなければならなかった。

■下手な英語にも耳を傾けてくれる
そんな苦労をした小生の英語だったが、嬉しかったのは、どんな人でも、こちらの下手な英語に親切に根気よく耳を傾けてくれたことである。
オーストラリア社会はたくさんの国からの移民からなっており、イタリア、ギリシャ、中国、中近東など、英語を母国語としない人も大勢いる。オーストラリア人はそんな人の話す英語に慣れているのだろう。

35日間、大したトラブルも発生しなかったため、この程度の英語でなんとか切り抜けることができた。しかし、次に訪問するときは、もう少し上手く話せるようになっていたいものだ。

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