2000/07/17

«Can you speak English?»

■覚えるより先に忘れていく
'99年4月末からECCに通った。フリー・タイム・レッスンで初心者に毛の生えたレベル4bから始め、約1年経ってやっと3aまで上がった。60近くなって始めた英会話だから、上達を妨げる最大の要因は減退する記憶力である。
過去に覚えていたことも忘れつつあるのに、新しく英単語を覚えるほどの容量を持った記憶素子を、我が脳は持ち合わせていないようだ。単語などは、覚えるより忘れていくスピードの方が速い。
ECCのテキストには、旅のいろいろな場面で利用できる会話も用意されていたから、それを全部覚えていれば相当のところまで通用するはずだったのだが……しかし、しかしである……

■英語なしで過ごせる一日
1日中夫婦で歩いていると、当然日本語だけを喋っている。地図を持っていれば道を尋ねる必要もない。フード・コートなどで食事を注文するときは、指さして "This one, this one and this one." でこと足りる。
そんな調子だから、まる一日英語らしい英語を使わない日もあるのだ。
ECCのテキストには、こんな例文があったような気がする。

Are you ready to order?
  Yes, I'll have the Caesar salad and the baby back ribs.
Would you like any soup or salad with that?
  I'll have the house salad.
And what kind of dressing would you like?
  What kind of dressing do you have?
We have a raspberry vinaigrette, thousand island, French, and honey dijon. We also have our house dressing which is like a creamy ranch-type dressing.
  I'll have the honey dijon.

しかし、安旅でフード・コードやビュッフェのようなところでしかメシを食ってないと、ウェイターがオーダーを聞きに来るような場面にはなかなかお目にかからない。ああ、こんなシーンを一度体験したかったな。

■宿とバスの予約
宿とバスの座席の予約だけは、英語でやらざるをえない。バスの方は幸いトランジット・センターのカウンターでフェイス・トゥー・フェイスでやることができたが、宿の方は、次の街に電話するしかない。

Hello! Adelaide City Backpackers?
I'm sorry I can't speak English well. So, would you please speak slowly.?

と切り出すと、相手は大体笑いながら応じてくれる。
そこで、メモを見ながら

I'd like to book at your place. Do you have a twin room available for three nights starting from June 8th?
And, if available, with private bath or shower and toilet.

とやるのだ。ほとんどこれでことなきを得た。ちなみにオーストラリアでは、「予約する」は、reserve より book の方が一般的だそうだ。

■オージー・イングリッシュ Aussie English

オーストラリア訛りの英語を「オージー・イングリッシュ」という。単語やスラングにも独特のものがあるが、一番有名なのは、Good day! が「グッダイ」となる発音だろう。
その辺の予備知識はあったのだが、バス・ドライバーの車内案内で、
Please take a coach by a quarter past eight. (8時15分までにご乗車ください。)の 'eight' が、どう聞いても「アイト」と聞こえる。
ツアー会社AATキングズも、「アイアイティー」である。そこまでいう?って感じ。
いずれにしても、バスのドライバーは、非英語圏人種が乗っていることなどまったくおかまいなしに、あのオージー・イングリッシュで早口にしゃべるのだから、聞き取りにくいことはなはだしい。休憩時間、乗車時刻、発車時刻など、その都度訊きなおして確認しなければならなかった。

■下手な英語にも耳を傾けてくれる
そんな苦労をした小生の英語だったが、嬉しかったのは、どんな人でも、こちらの下手な英語に親切に根気よく耳を傾けてくれたことである。
オーストラリア社会はたくさんの国からの移民からなっており、イタリア、ギリシャ、中国、中近東など、英語を母国語としない人も大勢いる。オーストラリア人はそんな人の話す英語に慣れているのだろう。

35日間、大したトラブルも発生しなかったため、この程度の英語でなんとか切り抜けることができた。しかし、次に訪問するときは、もう少し上手く話せるようになっていたいものだ。

2000/07/16

聞きたかった音(声)

オーストラリアに来たら是非聞きたいと思っていた音(声)が3つあった。
第1はディジュリドゥーの音、第2がウォルシング・マチルダの曲、そして3番目がワライカワセミの声だった。
ディジュリドゥーについては別項で詳しく紹介するつもりなので、ここではウォルシング・マチルダとワライカワセミについて触れてみたい。

■ウォルシング・マチルダ Waltzing Matilda

私がこの曲の全部を最初に聞いたのは、第3次世界大戦でほとんどの国が滅亡しオーストラリアだけが残ったという設定のSF映画『渚にて』の中だった。テーマ曲としてほとんど全編に流れていたため、今でもメロディーをはっきり覚えている。
オーストラリアでは、オージーの反骨精神を歌い上げた歌として、もともと第2の国歌とも言われるほど人気がある曲だが、この映画によってオーストラリアを代表する曲として世界中にも知られるようになったものだ。
今度の旅でこの曲を耳にしたのは、シドニーの宿で何気なく見ていたテレビ番組の中だったが、何か凄く懐かしい曲を聞いたような気がした。
シドニー・オリンピックの閉会式の最後に、スリム・ダスティという歌手がギター片手に歌ったのをお聞きになった方も多いと思う。

※Waltzing Matilda の発音
「ウォルシング・マチルダ」ではなくて、「ウォルツィング」だろうとおっしゃる方も多いのではないかと思うが、当時どう聞いても『ウォルシング』と聞こえていたし、一般にこのように表示されていたことも記憶しているので、ここではあえて『ウォルシング・マチルダ』と表示することにした。悪しからずご了承いただきたい。

この歌のオリジナルは、1895年にバンジョ・パターソン Banjo Patterson によって作られ、戦場に向かう兵士や、祝いの席、スポーツ・イベントなどで盛んに歌われたが、現在これを含めて3つのバージョンが歌われている。
下に掲げた楽譜と歌詞は、1903年にマリー・コーワン Marie Cowan が書いたもので、もっともポピュラーなものである。


Waltzing Matilda
(by Marie Cowan)
listen here
(Vocal)

Once a jolly swagman camped by a billabong
Under the shade of a Coolibah tree
And he sang as he watched and waited till his billy boiled
You'll come a waltzing Matilda with me

chorus:
Waltzing Matilda, Waltzing Matilda
You'll come a-waltzing Matilda with me
And he sang as he watched and waited til his billy boiled
You'll come a-waltzing Matilda with me

Down came a jumbuck to drink at that billabong
Up jumped the swagman and grabbed him with glee
And he sang as he shoved that jumbuck in his tucker-bag
You'll come a-waltzing Matilda with me

Up rode the squatter mounted on his thoroughbred
Down came troopers one two three
Whose that jumbuck you've got in the tuckerbag?
You'll come a-waltzing Matilda with me

Up jumped the swagman and sprang into the billabong
You'll never catch me alive said he
And his ghost may be heard as you pass by that billabong
You'll come a-waltzing Matilda with me.

Dictionary
Swagmana drifter, a hobo, an itinerant shearer who carried all his belongings wrapped up in a blanket or cloth called a swag.
Billabonga waterhole near a river
Coolibaha eucalyptus tree
Billya tin can with a wire handle used to boil water in
Jumbucka sheep
Tucker Baga bag for keeping food in
Squattera wealthy landowner.
Troopera policeman, a mounted militia-man.


■ワライカワセミ Kookaburra

学生時代、手作りの短波受信機でアマチュア無線や世界の日本語放送を追いかけたことがあった。
その頃短波ファンの間でもっとも人気があったのが、毎日19時から9.76MHzでメルボルンから送られてくるラジオ・オーストラリア Radio Australia の日本語放送だった。
放送開始直前のインターバル・シグナルでこのワライカワセミの鳴き声とウォルシング・マチルダの曲が流れ、そのあと軽快な開始音楽に続いて日本語番組が始まる。この辺の粋な演出が人気の原因だったのだと思う。
性能のよくないラジオのチューナーを捻りながら、必死になってこの音を探したのを覚えている。
この日本語放送も、今では行なわれていない。ちょっと残念である。

◆懐かしのラジオ・オーストラリアの音声
もしやと思ってWeb上で探していたら、やはり見つかった。
現在シンガポール在住のTさんのサイト。
当時人気のあった世界中の短波放送の録音テープをお持ちで、そのいくつかを公開されている。
メールでお願いしたところ快くご了解をいただいたので、あの懐かしい音声をご紹介できることになった。
Tさん、ありがとうございます。
《これらの音声は、一切転載を禁じます!》
①インターバルシグナルとワカイカワセミ(RA file)
②開始アナウンスと開始音楽(RA file)
③日本語放送開始アナウンス(RA file)

※これらの音声をお聞きになるには、RealPlayer が必要です。※
こちらからダウンロードしてください。

Kookaburra は、体長約45センチ、体重500gの大型の鳥。大きな四角い頭と巨大なくちばしを持つ最大のカワセミ。英語では Kingfisher と呼ばれるが、魚を採ることはなく、小動物や大きな昆虫、トカゲなどを食べる。
上空から舞い降りて、ヘビの頭を咥えて高く飛び上がり、地上に落としたり木の枝に打ち付けたりして殺して食べることもある。
しかし、何と言ってもこの鳥の特徴はその奇妙な鳴き声にある。他の鳥とテリトリーを争う時などには、人間の笑い声にそっくりなけたたましい声で泣き叫ぶ。これが『ワライカワセミ』 Laughing Kookaburra と呼ばれる由縁なのである。

街の中を歩くのが多かった今回の旅では、残念ながらワライカワセミの声はおろか姿も目にする機会もなかった。帰ってきてWeb上で見つけて拝借したのが、次の写真とサウンド・ファイルである。


(WAV file)

2000/07/15

«何飲む? ビール、ウィスキー?»

元来酒好きの我々夫婦。たくさん飲んで帰って、薀蓄(うんちく)を傾けたい、と思っていたのだが、意外なことにビール以外の酒はそれほど飲んでいない。(スコッチの水割りは結構飲んだが……)
酒のページを作ってしまったので、ほんのちょっぴりオーストラリアのビールについて触れておこう。

オーストラリア人はビールが大好きなようだ。ほとんどお茶やコーヒーを飲むような感覚で、昼のまだ日の高いうちからやっている。
我々もそれに習って、道端のカフェ・テラスでよくビールを飲んだ。ボトル・ショップで買って帰ってホテルの部屋でもよく飲んだ。
一番よく飲んだのは、フォーエックスゴールド XXXX Gold かな?ちょっと甘め。お気に入りは、フォスターズ Foster's Super Bitter 。Foster は、F1のスポンサーにもなっているからご存知の人も多いはず。なんとなくいい香りのビールだ。万人向きでどこにでもあるのが、緑色の缶のビクトリア・ビター Victorian Bitter (通称VB)。ボトル・ショップで買えば、1缶1.5ドル前後。カフェやパブだと1杯2.5ドルくらいだった。



オーストラリア政府観光局のメール・マガジン『月刊・旅たびOZ(オージー)』2001年6月号に、オーストラリアのビールについての記事が掲載された。その全文をご紹介する。《こちらをクリック》

パブのテーブルでウィスキーやビールを飲むときは、おかわりのたびにカウンターに行ってお金を払わなければならない。後でまとめて、といかないのがちょっと不便なところ。
また、スーパー・マーケットでは酒を置いていないところが多かった。

※コーヒー
話は酒から外れるが、ついでに、毎日のように飲んだコーヒーの話をしておこう。
我々が飲んだのは、常にロング・ブラック Long Black 。これはいわゆるブラック・コーヒーのこと。1杯2ドルちょっとだった。
これと対照のホワイト White またはフラット・ホワイト Flat White があるが、こちらはミルク入りのコーヒーのこと。「コーヒー」とだけ注文すると、"Black or white?" と訊かれることがある。
しかし、オージーに一番人気があるのは、どうもカプチーノ Cappuccino らしい。コーヒーに泡立てた牛乳をたっくさん入れて、粉のチョコレート(ココア・パウダー)をふったもの。
ケアンズで面食らってしまったのがオーストラリアのアイス・コーヒー Iced Coffee 。日本風にコーヒーに氷を入れたもののつもりで注文したら、出てきたのは全然別物。コーヒーにアイスクリームが浮いており、ご丁寧にその上にたっぷりと生クリームが乗っかっている。若い女の子は喜ぶかもしれないが、小生、それっきり Iced Coffee を注文することはなかった。

2000/07/14

Down Under



オーストラリアの隠れた人気土産物のひとつに、南北が逆になった(当然東西も)世界地図があるのをご存知の方も多いと思う。
私も、シドニーのロックスの土産物屋で見つけて買った。$8.95だった。
右の写真がそれだが、横90cm×縦60cmほどの大きな地図をデジカメで撮影して縮小したので、皺だらけだしちょっと見づらくなってしまった。

ご覧のように、オーストラリアとニュージーランドが真ん中上部に描かれ、日本や中国・ロシアはずっと下の方にある。

英語で "down under" とは、オーストラリアとニュージーランドのことをいい、辞書にもちゃんと出ている。(北半球の人間が使う)普通の地図の「下の方」にあるから、そう呼ばれるようになったのである。

しかし、南半球に移り住み「国家」としての体裁が整ってくるにつれて、これでは面白くないと考える人が出てきた。そこで生まれたのが、オーストラリアとニュージーランドを上において北半球を下に置いた地図なのである。この地図は半分(いや、ほとんど)ジョークで、実際に使われているのは、我々と同じ北が上の地図なのだが、オーストラリア人やニュージーランド人の心意気が感じられて面白い。

この地図には、次のようなコメントが書かれている。

  No apologies are called for in presenting this map with south at the top. The convention of "north-up" was established a few centuries ago because of the use, by northern hemisphere navigators and surveyors, of the northern polar star "Polaris" and the magnetic compass.
  Indeed, in earlier times east was placed at the top of maps and this was the origin of the term "Orientation".
  After hundreds of years of development, southern lands have no reason to be "below" the northern hemisphere countries.

要約するとこうなる。

南を上にしたこんな地図を作ったって、なんの問題もないだろ。もともと「北を上」にする習慣って奴は、何世紀か前に、北半球の探検家や測量士の連中が北極星と磁石を使うために作ったもんだ。
実際、もっと前にゃ東が上の地図だってあって、こいつが「オリエンテーション」 "orientation" の語源になったくらいなんだ。
今じゃもう、南の国が北半球の「下」にある理由はないってぇわけよ。

※上の文章には、「北極星」 "Polaris" の語源となった "polar" は、本来「南」の極を意味する言葉であって、「北の極」は "arctic"。それなのに何故北極星を "Polaris" というんだ? という意味も込められている。

2000/07/12

世界一の一枚岩?

以前、エアーズ・ロックについてのガイドブックなどでは、これが『世界一の一枚岩』であるとの表現がされていたことがあった。今では、こうした表現はあまり見かけなくなったが、エアーズ・ロックが世界一であるという誤解は、未だにここを訪れる観光客の多くに残っており、確かに何もないだだっ広い大平原の中に忽然と現れるその姿を見たとき、『世界一の一枚岩』を見たかのような感動にとらわれるのも事実である。

しかし最近では、『世界一の一枚岩』は、同じオーストラリアにあるマウント・オーガスタスだと言われている。
今回の我々の旅では訪れることはなかったが、この『一枚岩』についてもちょっと紹介しておきたい。


マウント・オーガスタス Mount Augustus。アボリジニのワジャリ Wadjari 族の人々にバリングラ Burringurrah として知られている山は、(西オーストラリア州)パースから850km、the Great Northern highway と North West Coastal highway の途中にある。世界中で最も素晴らしい独立した弧峰の一つであり、アカシア類 wattles 、桂類 cassias 、eremophilas などの潅木の生えた、石がごろごろした赤い砂の平原に、858mの高さで聳えていて、海抜は1105mある。
1858年6月3日、ヨーロッパ人として初めてこの山に登ったフランシス・グレゴリー Francis Gregory が、彼の兄オーガスタス卿 Sir Augustus Charles Gregory の名前にちなんで名付けたものである。

岩そのものは、長さ約8km、底面積が4795ヘクタールあり、(体積では?)エアーズ・ロックの約2.5倍のサイズで、そういう意味では、世界で最も大きな「岩」である。
マウント・オーガスタスの岩は、約10億年以上前の原生代初期に古代の海底に砂や玉石が堆積して生まれた。これらの堆積物は砂岩や礫岩の地層を造り、地殻の変動で収縮され隆起した。この砂岩と礫岩は、35km西南西にあるマウント・フィリップ Mount Phillip を含む広い地域を覆っている。マウント・オーガスタスの下にある花崗岩は、16億5千万年前のものであって、サイズでエアーズ・ロックの2.5倍というだけでなく、古さでもそれを凌いでいるということができる。

ところで、『世界一』大きな一枚岩って何を基準にいうんだろう?

一般的には、地表に見えている「体積」で評価しているのだろうが、エアーズ・ロックもマウント・オーガスタスも、ノーザン・テリトリーに転がっているデビルズ・マーブル Devil's Marbles のように地表に「ポコッ」と浮いているわけではない。我々が見ているのはそのごく一部であって、地下にはその何倍、何十倍の岩が潜り込んでおり、ず~っと『いちまい』なのである。
(エアーズ・ロックの成り立ちについては、付録:Uluru and Kata Tjuta/A Geological History をご覧いただきたい。)
隠れている下の部分まで測れば、どちらが大きいか分からない。計測は地質学の先生にお任せするしかない。
これが、『世界一高い』とか、『世界一大きな丸石』(笑)というのであれば、その評価もしやすいのだろうが。

さてさて、そんな議論はどこか別のところでやっていただくとして、私達が訪れたエアーズ・ロック(ウルル)は、その形状と置かれた状態からして、やはり『世界最大級』の岩の一つであったことは間違いないのだ。

2000/07/11

«安宿のすすめ»

海外旅行の宿泊はホテル、と決めてかかっていたら、今回の旅は実現していなかっただろう。
「食事」の項でも書いたが、宿泊費は旅行費用の最大の支出項目。ABC分析で検討すれば、真っ先に削減の対象となる部分である。
トータル・コストを固定し、旅行の期間を最大に長期に持っていこうとすれば、食費と宿泊費を切り詰めるしかない。しかし、この項目は、『女性』である家内にすれば、旅行に期待するかなり大きな要素になるはずだ。
こうして、小生のオーストラリア宿泊事情の情報収集活動が始まった。(ちょっと、大袈裟???)

通っていたECCのレッスンの中で、Backpackers Hostel や B&B という言葉は聞いたことがあったが、恥ずかしながらそれが実際にどんなものか分からない。Youth Hostel は、40年近く前学生時代に国内で体験したことはあったが……。

安宿の種類は? 価格は? 泊まり心地は? 予約はどうすれば? 旅行関係のホームページを巡って、宿泊施設 Accommodation の情報を漁り、人様の体験談を読むうちに、おぼろげながらオーストラリアの宿泊事情が見えてきた。
そうやって得た情報をもとに予算を設定し、最終的な旅行計画が完成。家内にその全容を話してめでたく実行の運びとなったわけである。

■オーストラリアの安宿

今回の旅で最高にお世話になった『地球の歩き方』オーストラリア版を抜粋すると、オーストラリアの安宿事情は次のとおり。

◆バックパッカーズ・ホステル Backpackers Hostel
バックパックを背負ってエコノミーな旅をする人に人気なのが、その名のとおりのバックパッカーズ・ホステル。主要な街の割と便利な場所にあって、料金も格安。世界各国からいろんな旅人が集まってくるので、旅の情報収集にも便利だ。
一般に、シャワー、トイレ、キッチンが共同で、部屋はドミトリー(4~8人の相部屋)、シングル、ツインがある。宿泊料は、ドミトリーが1泊$12~16、シングル$15~35、ツイン$25~45といったところ。
VIP会員には$1~2の割引がある。ワーホリ君たちは、略して『バッパー』と呼ぶ。

◆ユース・ホステル Youth Hostel
世界中でバックパッカーズに愛用されている安宿の代表格。オーストラリア全土に、準加盟ホステルも合わせて150以上ある。
部屋は、基本的にドミトリー($10~16)だが、最近はツインも増えてきた。
原則として会員しか宿泊できないので、旅の前に日本または現地のユース・ホステル協会で会員になっておくこと。

◆プライベート・ホテル Private Hotel

個人経営のこじんまりしたホテル。日本の民宿みたいなもの。トイレ、シャワーは共同の場合が多い。リビング・ルームで、宿の主人や泊り客との交流もできる。
朝食付きのところも多く、その場合はB&B Bed and Breakfast という。料金はB&Bシングル$30~50、ツイン$35~60.

◆モーテル Motel
車なしでも泊まれる。どちらかといえば、町の入り口や大きな道路沿いにある。ほとんどがツインで、シャワー、トイレ、TV、冷蔵庫付きが多く、場合によってはキッチン付きも。$40~100。

◆バジェット・タイプ・ホテル Badget Type Hotel
パブとホテルが併設されたホテルで、数的にはオーストラリアで最も多い。1階がパブ、2階以上がホテルとなっている。夜遅くまで騒がしい難点はあるが、ロケーションの良さと値段の安さが魅力。
シングル$20から40、ツイン$30~60。

■泊まった宿

夫婦で旅行するのだからドミトリーというわけにはいかず、すべてツインかダブル。重い荷物を背負っているので、バスのターミナルから近いか、ピックアップ・サービス(空港や駅までの送迎)のあるところ。夜の到着になる場合は、レセプションが遅くまで開いているところでなければ。そして、可能ならば室内シャワーのあるところが……。
予算は1泊60ドル。エアーズロック・リゾートは宿泊施設が限定され122ドルかかる。シドニーは大都会でちょっと高めになる。だから、ほかの街の平均は1泊50ドル程度で抑えなければ。
こんな条件設定で、あらかじめ各都市の宿を2、3候補に絞り込む。本当は、行き当たりばったりに、その街に着いてから宿を探してみたかったのだが……。

電話をしたら満室だったり、シャワーが付いてなかったりで、実際に泊まった宿はすべて『地球の歩き方』に掲載された宿から選んだものになった。

■宿の予約

ケアンズとブリスベンは、日程変更の可能性もないので、日本からインター・ネットで行った。
ケアンズの Inn The Tropics とブリスベンの Soho Motel はホーム・ページを開設しており、それぞれの予約のページから予約が可能。但し、クレジット・カードの番号を問い合わせてくるので、セキュリティを考えてそれにはFAXで対応した。
後は、次の街へのバスを確保してから、その街の宿を探すことになる。
朝早く着くのであれば、着いてから足で歩いて部屋を見せてもらって探すのが一番いいのだが、重い荷物を背負って歩き回るのもシンドイ話だ。
E-mailによる予約が可能なところもあるが、2、3日しか滞在しない街でインターネット・カフェが込んでいたりすると、実用的ではない。FAXを借りて行う方法もあったが、実際には利用しなかった。残された方法はただ一つ、電話しかない。

電話をかけて、先ず、

Excuse me. I can not speak English well. I'd like to book at your place.

と切り出す。これで大体ゆっくり対応してくれる。FAX用に作成しておいた Reservation Form を見ながら一項目ずつ希望を伝える。大体問題なく話ができた。
アデレードからパースの宿に電話した時、同様に始めると、
"Which language do you speak?"
と返ってきたので、"Japanese" と答える。「それでは、日本語でどうぞ」と来た。助かった。レセプションの Keith 君は、ベルリッツ Berlitz 大阪・本町校の元講師だった。

前にも書いたが、安ホテルの場合はレセプションが早く閉まってしまうところが多い。朝も、8時ごろにならなければ開かない。
特に到着時間が夜になるときは、レセプションが何時まで開いているかを確認する必要がある。
アリス・スプリングスからタウンズビルに向かうバスが大幅に遅れ、タウンズビルのトランジット・センターに到着したのは宿のレセプションが閉まる直前。電話してこれから向かう旨を伝え、重い荷物を背負って宿まで走ったこともあった。

タバコは有害です

喫煙環境の厳しいオーストラリアでも、毎日欠かさずにタバコを吸った。銘柄は、フィリップ・モリスのピーター・ジャクソン Peter Jackson。そこで毎回お目にかかったのが、タバコのパッケージにしつこいほどに書かれているウォーニング・メッセージ Government Warning Message である。
オーストラリア国内で販売するタバコには、次の6種類のいずれかのメッセージの表示が義務付けられていて、その表示スペースについても、パッケージ全体の面積に対する割合などが細かく規定されている。
興味のある方は、ご自分で訳してみていただきたい。

日本の

あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう
喫煙マナーをまもりましょう


に比べて、格段に厳しい警告メッセージがびっしりと書かれているのである。
この警告によってどの程度喫煙が抑制されているかは、定かではないのだが……

1. SMOKING CAUSES CANCER

Government Health Warning
SMOKING CAUSES LUNG CANCER


Tobacco smoke contains many cancer-causing chemicals including tar. When you breathe the smoke in, these chemicals can damage the lungs, and can cause cancer. Lung cancer is the most common cancer caused by smoking. Lung cancer can grow and spread before it is noticed. It can kill rapidly. For more information, call 132130.
Government Health Warning

2. SMOKING IS ADDICTIVE

Government Health Warning
SMOKING IS ADDICTIVE

Nicotine, a drug in tobacco, makes smokers feel they need to smoke. The more you smoke, the more your body will depend on getting nicotine and you may find yourself hooked. It may be difficult to give up smoking once you are hooked on nicotine. For more information, call 132130.
Government Health Warning

3. SMOKING KILLS

Government Health Warning
SMOKING KILLS


In Australia, tobacco smoking causes more illness and early death than using any other drug. Tobacco smoking causes more than four times the number of deaths caused by car accidents. For more information, call 132130.
Government Health Warning

4. SMOKING CAUSES HEART DISEASE

Government Health Warning
SMOKING CAUSES HEART DISEASE

Tobacco smoking is a major cause of heart disease. It can cause blockages in the body's arteries. These blockages can lead to chest pain and heart attacks. Heart attack is the most common cause of death in Australia. Smokers run a far greater risk of having a heart attack than people who don't smoke. For more information, call 132130.
Government Health Warning

5. SMOKING WHEN PREGNANT HARMS YOUR BABY

Government Health Warning
SMOKING WHEN PREGNANT HARMS YOUR BABY


Poisons in tobacco smoke reach your baby through the bloodstream. If you smoke when you are pregnant, you greatly increase the chance of having a baby of low birth-weight. Smoking may lead to serious complications which harm your baby. For more information, call 132130.
Government Health Warning

6. YOUR SMOKING CAN HARM OTHERS

Government Health Warning
YOUR SMOKING CAN HARM OTHERS


Tobacco smoke causes cancer and poisons people. People who breathe in your tobacco smoke can be seriously harmed. Your smoking can increase their risk of lung cancer and heart disease. Children who breathe your smoke may suffer asthma attacks and chest illnesses. For more information, call 132130.
Government Health Warning

手巻き煙草

ちなみに、オーストラリアでは手巻き煙草を吸っている人が多い。市販のフィルターのついた紙巻煙草は高すぎて手が出ないのか。私の愛用したピーター・ジャクソンは、30本入り$8(約560円)位した。
これに比べて、煙草の葉だけ入った50グラムのパックだと$12位。これで、うまくいくと100本は巻けるそうだ。
若いワーホリ君が手巻き煙草を吸っているのを見かけたが、戦後、親父が三省堂のコンサイスの紙で煙草を巻いていたのを思い出し、なんとなく抵抗を感じたのは歳のせいであろうか。