2000/06/16

Melbourne4

6月16日(金)
今夜グレイハウンドでアデレードへ向かうため、チェック・アウトを済ませ荷物をトランジット・センターのロッカーに預ける。

メルボルンの最後に、無料のトラム、シティ・サークル City Circle に乗って時間をつぶすつもりで、エリザベス・ストリートの電停で待つ。
シティ・サークルはレンガ色の木製車両で、スペンサー・ストリート~フリンダース・ストリート~スプリング・ストリート~ラトルーブ・ストリート~スペンサー・ストリートというふうに、シティの中心部周囲を一巡している。料金は無料。このトラムで、行き残したところを回ってみようと思ったのだ。
しかし、待てど暮らせどレンガ色の電車がやって来ない。他の色は何本も通り抜けるのだが、何故かレンガ色だけが来ない。朝から風が強く寒い。
そうこうする内にグリーンの車両が止まり、乗務員が「乗れ」と手招く。よく分からないままに乗車すると、今日はシティ・サークルが車両点検のため休みなのだという。この車両でもタダでいいから乗っていろ、というのである。車掌ではなく、どうやら交通局(?)の職員が、臨時に乗り込んで対応しているようだ。
シティ・サークルのパンフレットに、『私は日本が好きです。メルボルンへようこそ』と日本語で書いて渡してくれた。

そのトラムを、カールトン・ガーデン Carlton Garden の前で降りる。王立展示館 Royal Exhibition Building の建物があったので入ってみる。1880年のメルボルン博覧会のために建てられた世界で最も古い国際展示場の一つ。中では、一部を仕切って衣料品関係のこじんまりした展示即売が行われていた。【写真右】
展示館の北側には、新しいメルボルン博物館 Melbourne Museum が工事中で、今年10月、7000㎡の展示スペースを持つ最新設備の博物館がオープンする。

スプリング・ストリートを南に向かうと、議事堂やオールド・トレジャリー(旧大蔵省) Old Tresury の前を通る。モールに入ろうとバーク・ストリートを右折する。
そこで何気なく見つけて入ったのが、アボリジナル・ギャラリー・オブ・ドリーミング Aboriginal Gallery of Dreamings だった。
アボリジナル・アーツの作品がたくさん展示されている。ゆっくりと眺めていると、日本語で話しかけてきた女性がいた。スタイル抜群、黒のパンツ・スーツが似合うとてもカッコいい女性だった。
内田真弓さん。日本の航空会社で6年間フライト・アテンダントとして勤務した後、オーストラリアを旅行で訪れて「アボリジナル・アーツ」に出会い、強く惹かれたという。すっかり病み付きになり何度かオーストラリアに来るうちに、今の店のオーナーに出会い、請われてこの店で勤めて8年になる。
『アボリジニの人たちのキャンプで、一緒に生活したこともあるんですよ』と話す内田さんの目が輝いている。つい一昨日、アボリジニ文化を日本に紹介するイベント企画が正式決定したそうで、その夜はひとりおいしい酒に酔いしれたという。7月にはこの店を辞め、ディレクターとして独立する予定だとか。成功を祈りたい。

その内田さんは、現在 LAND OF DREAMS を設立し、アボリジナル・アーツ・コーディネーターとして活躍されている。ホームページ「内田真弓の、裸足のアーティストに魅せられて」をご覧いただきたい。
バスのチェック・インまでにはまだまだ時間がある。昨日と同じスワントン・ストーリートのカフェに寄る。
ウェイターが覚えていてニコニコと応対してくれる。陽気なお兄ちゃんだ。

夜10時30分、バスは予定どおり発車しアデレードに向かう。

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